本州一の漁獲量を誇る岩手県の秋サケ漁が深刻な不漁に見舞われている。4日発表の県の漁獲速報によると、漁獲量は不漁だった前年度を下回る。価格は高騰し、師走の三陸の浜を直撃。年の瀬に不可欠な食材だけに、水産関係者のため息は深い。
 宮古市の宮古魚菜市場。この時期、各店の軒先にずらりとぶら下がるはずの新巻きザケは、一角にある程度だ。価格は1本1万~5000円で、昨年より2、3割ほど高い。
 佐々由魚菜市場店の高橋良一店長は「今年は購入本数を減らす客が多い」と話す。市場を訪れた市民らは「庶民が買える魚じゃなくなってきた」「イクラの量も少ない」と嘆く。
 県内の河川捕獲を含めた本年度の秋サケの漁獲量は11月末現在、4708トン。前年度同期比で11.6%少なく、東日本大震災後の2012~16年度平均の6割にも満たない。1キロ当たりの平均単価は前年度の1.3倍の1015円。12~16年度平均の1.8倍になる。北海道の秋サケ漁の伸び悩みも影響している。
 今年は、同じく主力魚種のサンマ漁も記録的な不漁に陥っている。大船渡市の水産加工「及川冷蔵」の及川広章社長は「漁獲量が増えると期待していたのに…。どこまで我慢できるだろうか」と先行きを懸念する。