岩手県奥州市江刺区の岩谷堂高は本年度、岩手県南部の産学官連携組織「南いわて食産業クラスター形成ネットワーク」に加わった。加盟する約360の食品企業や団体、生産者と関係を深め、地元の食を販売する実践的な学びに役立てる。
 同校は商業を学ぶ総合学科3年生の卒業研究に販売実習を導入。江刺区の菓子店「菊正堂」と地元産リンゴ菓子を開発したほか、宮古水産高(宮古市)と高田高(陸前高田市)が製造した魚の缶詰などを住民向けの定期市で販売している。
 連携事業の第1弾として2日、地元の歴史公園「えさし藤原の郷」であった江刺農協主催のイベントに初出店。3年生36人が観光客に菓子や缶詰を売り込みながら、販売の現場で岩手の魅力をアピールした。
 安部萌絵さん(18)は「自分たちで仕入れ交渉もしているので商品を詳しく知ることができる。販売実習はコミュニケーション能力の向上に役立つ」と話す。
 ネットワークは2007年度設立で、高校の加入は初めて。来年度以降、販売実習を支援する本格的な事業展開を模索する。
 事務局の県南広域振興局は「若い世代が食産業に関心を持つきっかけになる。高校生の活動が参加企業などの刺激になれば」と相乗効果を期待する。