東京大と福島大は5日、東京電力福島第1原発事故の風評被害に関する国内外での意識調査の結果を公表した。福島県産の食品は、海外では欧米よりアジア圏で不安感が強く、国内では抵抗感を持つ人が年々減少していることが分かった。両大は「放射性物質の検査結果の情報を積極的に発信し続ける必要がある」と指摘する。
 調査は今年2月、日本を含むアジアと欧米計10の国・地域の大都市で住民計3000人にインターネットを通じて実施した。
 「福島県産の農産物は不安だ」と回答した人の割合は、台湾が81.0%と最も多く、韓国が69.3%、中国が66.3%で、米国の35.7%、英国の29.3%などと比べアジアで高かった。日本は30.3%だった。福島県産の海産物や飲料水も、欧米よりアジアで抵抗感が強い傾向が見られた。
 調査した東京大の関谷直也特任准教授(災害情報論)は「海外では事故直後の福島県のイメージから回復していない」と分析。不安解消には「食品に放射性物質が含まれていないかを調べる検査の体制や検査結果の周知が必要だ」と話す。
 福島大などが今年2月に国内約9000人を対象に実施した調査では、「積極的に福島県産は避けている」と回答した人の割合は、福島県民が12.0%、県民以外は19.8%。2013年のそれぞれ28.0%、県民以外28.1%から大きく低下した。
 調査結果は、両大が都内で開催した原子力災害復興連携フォーラムの席上、公表した。福島大の小山良太教授は「事故直後と現在で農作物の生産や検査の体制がどう変わっているか、広く説明することが大切だ」と語った。
 欧州連合(EU)は1日、原発事故後に課した日本食品の輸入規制を緩和。ただ日本からの農林水産品の輸出額が上位の香港、米国、中国、台湾、韓国などは一部地域を対象に輸入停止を続けている。