秋田大病院(秋田市)は食道腺がんの完治を後押しする光線力学的療法(PDT)を導入した。東北では東北大病院(仙台市)に次いで2例目。秋田県内では食道腺がんが増加傾向にあり、完治を目指す患者の新たな治療法の選択肢として期待される。
 PDTは内視鏡と組み合わせて使用する。がん細胞に集まる特性がある薬を患者に投薬し、レーザー光を当て光化学反応を起こすことで変質、壊死(えし)させる。局所的に残るがん細胞を的確に処理でき、体内の正常な組織への影響が少なく合併症のリスクを回避できるのが特長。
 食道腺がんの従来の治療法には、内視鏡治療、外科治療、化学療法、放射線療法がある。手術に耐えられない高齢の患者向けに化学療法と放射線療法の組み合わせが増えているが、臓器機能などを維持できる一方、残存したがん細胞が再発を招くことが課題だった。
 PDTでは治療に使用する薬の影響で太陽光などによって皮膚に異常が出る光線過敏症が起きるため、治療後約2週間は室内の明かり程度で過ごし、1カ月間は外出時に肌の露出を避ける必要がある。また、食道から転移した細胞には効果がない。
 秋田大大学院医学系研究科の飯島克則教授(消化器内科)らの調査では、2007年は1人だった県内の食道腺がん患者が14年は14人に増加していた。医療保険の適用範囲にあるPDTの導入によって、県外への通院を強いられるなどしていた患者の負担軽減にもつながりそうだ。
 飯島教授は「身体や費用面の負担が少ない治療法導入はがんの完治に向けて大きな一歩になる」と話す。