東北の経済団体や企業のトップらは仕事始めの4日、2018年の東北経済の展望を語った。製造業の好調や訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加を受け、景気回復への前向きな発言が目立つ一方、東日本大震災の復興需要の収束や国際情勢の不安定化に対する懸念の声も上がった。
 仙台経済同友会代表幹事の大山健太郎アイリスオーヤマ社長は「回復を続ける世界経済の中で国内経済も好調を維持するだろう。アイリスは国内外で積極的な設備投資を進めている。個人消費にも波及してほしい」と期待した。
 仙台三越の渡辺憲一社長は「景気回復を実感する。初売りは来店客数、売り上げとも前年を上回った。来年10月の消費税増税までは、緩やかだが上向きで進むだろう」と分析した。
 インバウンド誘致で「一人負け」と言われてきた東北だが、昨年は前年比約4割増と全国を上回るペースで伸びた。
 仙台国際空港(名取市)の岩井卓也社長は「ようやく増加を実感できるようになった。地域と共に前向きな挑戦を続ける」と強調。東北観光推進機構の紺野純一専務理事は「インバウンド拡大のためにも国内旅行や東北からの海外旅行の活性化も進める」と話した。
 震災は3月で発生から丸7年となる。東北経済連合会の海輪誠会長は「東京五輪や復興需要が最終盤を迎える20年度以降が心配だ。2、3年のうちに東北が自立できる体力をつける必要がある」と語った。
 七十七銀行の氏家照彦頭取は19年5月の改元を見据え、「平成はバブル崩壊や震災など苦労が多かったが、新しい成長の軌道を探す時代だった。今年は雌伏から雄飛に向かう一年にしたい」と述べた。
 国際情勢を巡り、海輪会長は「政治情勢が不安定さを増しており、経済の下振れリスクがある」と指摘。大山社長は「懸念は北朝鮮やトランプ政権だが、大げさな発言にとらわれ過ぎてもいけない」と訴えた。