日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完工が見通せない状況が続いている。ずさんな設備管理が発覚し、原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査が昨年10月から中断しているためだ。審査申請から7日で4年。規制委は設備点検と再発防止の徹底を求めており、再開のめどは立っていない。(東京支社・小沢邦嘉)
 再処理工場の審査は昨年3月、地震対策や重大事故対策など主要な論点の確認が終わり、最終段階に入ったはずだった。
 「合格」に向けて残された課題は当時、原燃が審査経過を反映させた補正書を取りまとめて規制委に提出するだけ。原燃幹部は「ほっとした。3年間の審査は長かった」と感慨深げに話した。
 最終盤、原燃は大きくつまずいた。昨年5月に補正書を提出したが、重大事故対策の不備が判明、審査を部分的にやり直す事態となった。8月には工場の非常用電源建屋に雨水が流入するトラブルが見つかり、重要設備の一部が水没した。雨水流入の原因となった設備について、原燃が年1度の点検を全く実施していなかったことも発覚し、状況はさらに深刻化した。
 原燃の工藤健二社長は昨年10月、規制委の会合でずさんな設備管理を陳謝し、他にも点検漏れなどがないか確認するため、約60万件に上る全設備の総点検を表明。異例の審査中断が決まった。
 原燃はこれまでに安全上重要な設備(約6万件)の点検を終えたが、全設備の点検を終える時期ははっきり見通せていない。規制委の審査担当者は「設備の点検結果を踏まえ、原因究明と再発防止を明確に、説得力のある形で説明する必要がある」と指摘する。
 規制委の更田(ふけた)豊志委員長は記者会見で「原燃の社長が自ら『最大級の危機感を持つ』と言って点検作業に臨んだ。やり遂げた、という段階で改めて確認する」と述べた。
 経営陣らを呼んで安全管理体制の改善状況の説明を求め、審査を再開するかどうか判断する意向を示している。

[使用済み核燃料再処理工場]原発から出る使用済み核燃料から、再利用できるウランやプルトニウムを取り出す核燃料サイクル政策の中核施設。1993年に着工したが、完工に至っていない。日本原燃は昨年12月、完工目標を3年延ばし、2021年上期とする24回目の完工延期を表明した。