みんなから「キノコさん」の愛称で呼ばれる高橋久祐さん(39)は、岩手県盛岡市藪川にある市外山(そとやま)森林公園の管理人。日本特用林産振興会登録の「きのこアドバイザー」だ。「キノコ目線」で楽しむ自然との触れ合い方を教えてもらった。(盛岡総局・松本果奈)

◎盛岡市外山森林公園管理人 高橋久祐さん(39)

 -普段はどのような活動をしていますか。
 「森林管理のほか、開園期間中はキノコをテーマにした子どもたちの野外レクリエーションを担当しています」
 「園内にはシイタケやマイタケを栽培している約1ヘクタールのキノコ園があり、野生種も含めると約30種類を確認できます。食堂では園で栽培したキノコを使ったそばも提供しています」

 -キノコ好きになったきっかけは。
 「きのこアドバイザーの資格取得に必要な研修に参加し、他の受講者の『キノコ熱』に触れました。キノコの目線で森林を説明した方が、森林や林業を一般の人に受け入れられるのではないかと思いました」
 「キノコは当たり前のように私たちの周辺に生えていますが、見ても食べても楽しく、神秘的な存在です」

 -地元の企業や大学とも連携していますね。
 「公園の知名度を高めて地域の魅力を発信したくて、地元企業と一緒に乾燥シイタケを使ったシイタケメロンパンやシイタケラスクを開発しました。岩手大とは電気の刺激でキノコを発生させる共同研究に取り組んでいます」
 「昨年10月には福岡県発祥のイベント『きのこ大祭』を盛岡市で開きました。生産者による販売やキノコに関連する作品の展示、ステージ発表もあり、約700人が来場しました。今後は菌類全体をテーマに、幅広い分野の人々を巻き込んだイベントにしたいです」

 -キノコに親しむイベントですね。
 「キノコだけでなく、イメージの薄い林業に興味を持ってほしいです。林業は次世代にバトンを渡すような仕事です。しかし携わる人は低賃金で、人数も減っています。職業として林業を選んでもらうには、次世代が誇りを持てる業界になる必要があります」
 「森林が健全に循環していくためには、キノコの働きが不可欠です。観察や採取、イベントで知った樹木とキノコの関わりを切り口に、森林への興味を深めてもらいたいです」
(月曜日掲載)