山形県は新年度、県内水面水産試験場(米沢市)がサクラマスとニジマスを交配させて開発した「ニジサクラ」の大量生産に向け、養殖業者用のマニュアル作りを始める。ニジサクラは味の良さに定評があるサクラマスの長所を受け継ぎながら、ニジマスのように養殖しやすいのが特長。試験場は「地域ブランドとして定着させたい」と意気込んでいる。
 試験場によると、ニジサクラの開発は2013年にスタート。県の魚でもあるサクラマスと、米国で養殖用に育種されたドナルドソン系ニジマスを掛け合わせた。生殖機能を持たないため肉質が良く、成長も早い。2~3年の飼育で体長40~50センチになる。
 18年度から約5年間は民間施設で実証実験などを重ね、最適な養殖環境を探りながらマニュアルの作成を進める予定だ。
 養殖業者らを対象に16年に開催した試食会では、うま味や適度な脂、色味などが好評で、近年は刺し身の需要も高まっているニジマスを上回る人気魚種になることが期待されている。
 県によると、ニジマス養殖は東根市が発祥の地とされ、かつては県内でも盛んに行われていた。県内のマス類生産量は1982年に648トンに上ったが、2015年には119トンに減少。経営体数もピーク時の85(1983年)から34(2015年)に減っている。
 試験場の担当者は「経営体の減少など、暗い話題の多い山形県の養殖業を明るく照らす魚種になってほしい」と説明する。
 県民投票で92年に県の魚に選ばれたサクラマスは、オホーツク海を回遊しながら成長する環境を人工的に再現するのが難しく、養殖技術は確立されていないという。