山形県の寒河江、新庄両市は今冬、新たな除雪車運行管理システムを導入し、高齢者や障害者の家の前に雪を押し付けない道路除雪を始めた。それぞれ市社会福祉協議会などから情報提供を受け、「除雪弱者」計約100世帯を登録。対象住宅に近づくと、衛星利用測位システム(GPS)機能でスマートフォンのアラームなどが作動し、除雪車オペレーターに「思いやり除雪」を促す仕組みだ。
 両市が導入したのは、スマホのGPS機能で除雪車の位置情報を管理するシステム。NDソフトウェア(南陽市)が本年度、事前に登録した地点に近づくと、スマホのアラームやメッセージが作動する機能を既存商品に加えて発売した。
 寒河江市は市社会福祉協議会、新庄市は市福祉事務所からそれぞれ対象世帯の情報提供を受けた。寒河江市は要介護3以上の独居高齢者約80世帯を、新庄市は独居高齢者や身体障害者の計約20世帯を対象として登録している。
 個人情報保護のため、除雪作業の受託業者に提供されるのは「場所の特定に必要な最低限の情報に限定」(新庄市都市整備課)されている。
 除雪車に配備されるスマホに、アラームや「重点除雪箇所につき、気をつけて作業して下さい」というメッセージで現在地が対象世帯であることを通知。住所や住民の氏名などが表示されることはない。
 システム導入によって市や受託業者は作業時間や経路を簡単に把握できるようになり、事務作業の軽減や作業経路の効率化も図ることができるという。
 市のウェブサイトには除雪車の現在地を示す地図が掲載され、市民が自宅周辺の除雪状況を確認できるといったメリットもある。費用は寒河江市が730万円、新庄市が900万円。
 寒河江市の担当者は「システムを生かして寒河江型のやさしい除雪を進めていきたい」と話す。