福島県田村市の佐藤正男さん(72)が自宅の庭に高さ約11メートルの「富士山」を造り、地元の話題になっている。約750万円をかけ、ダンプカー130台分の土をスコップで固めて自作した。火口からたき火の煙を出して噴火を再現する仕掛けもあり、訪れた人々を楽しませている。
 佐藤さんは型枠大工として静岡県に働きに出た40代の時、富士山に魅了された。「夢かと思うくらいきれいで大きくて」。福島に帰ってからも興奮は冷めず、ある夜、庭に富士山が現れる夢を見て「造ろう」と決意した。最初は反対した妻の志枝子さん(71)も「主人の喜ぶ顔が見たい」と手伝うようになった。
 1995年に5メートルほどの山が完成したが、満足いく形になるよう何度も造り直し、現在は6代目。湖面に映る逆さ富士を楽しめるように山梨県の「河口湖」も再現。湖に浮かべた舟は露天風呂にもなる。
 今では地元の特別支援学校の生徒や、老人ホームの入所者がバスで訪れる名所になり「みんなに喜んでもらえると、やって良かったと思う」とはにかむ。今後は「反対側の静岡県から見た山の形を整えたい」と名峰の美を追求し続ける。