山形県尾花沢市北郷地区で7日、子どもたちが首に縄をつけた木製の地蔵を引きずり、雪まみれにして各家庭を訪ねる奇習「地蔵転がし」が行われた。4人の小中学生が約60軒の玄関で「地蔵さま来たぞ」の掛け声とともに地蔵を勢いよく置いて雪を散らし、無病息災を祈った。
 子どもの守り神である地蔵を引きずるのは、一緒に仲良く遊ぶ様子を表すという。玄関で雪が多く散るほど縁起が良いとされ、子どもたちは地蔵を池に漬けたり、雪だまりに投げ入れたりしながら練り歩いた。小学4年の菅野結月さん(10)は「今年は雪が多いから、みんな健康で幸せになれると思う」とほほ笑んだ。
 江戸時代から北郷地区に伝わる地蔵転がしは、子どもの減少により一時途絶え、約30年前に復活。今年の地区の小学生は3人で、再び存続の危機に陥っている。
 訪問を受けた会社員菅野了吉さん(68)は「昔は子どもで玄関がいっぱいになったが、少なくなり寂しい。毎年の楽しみなので続けてくれたらありがたい」と話した。