「次世代型放射光施設」は文部科学省の検討が大詰めを迎え、「国際リニアコライダー(ILC)」は建設費削減の見通しが立った。二つの構想を巡る経過と今後の展開を踏まえながら、それぞれの誘致に取り組む関係者に2018年の展望を聞いた。

◎光科学イノベーションセンター・高田昌樹理事長に聞く

 光科学イノベーションセンターは東北の次世代型放射光施設整備を目指し、2016年12月に発足した。民間資金の受け皿となる。
 物質の機能を調べる「軟エックス線」領域の施設は世界で新設が相次いだ。光の性能が大幅に向上して物質の見え方は劇的に変わり、研究開発のスピードが上がった。日本は後れを取っており、国際競争力の低下を懸念している。
 施設は構想段階にもかかわらず、50社近くがリスクを取り大口出資に応じてくれた。高いニーズの表れだ。東北の中小企業向けに小口出資の仕組みもある。地域に根差した技術革新を起こしたい。
 触媒化学や生命科学など研究範囲は幅広い。農業にも生かせる。非破壊検査なので作物に含まれる微量元素を可視化でき、土壌汚染の有無が分かる。風評対策に役立つだろう。
 昨年は文部科学省の小委員会の議論が進み、刺激を受けた。費用分担を含めて官民で整備する考え方は一致しており、5月に東北の構想を文科省に提案した。検討を見守っている。
 実現すれば、日本の産業をけん引する拠点となる。波及効果を東北全域に広げたい。(聞き手は東京支社・片山佐和子)