◎外国人に仙台、東北の魅力を伝える 高山佳さん(30)

 母国も世代もさまざまな人たちが毎月集う国際交流企画「イート・ミート・センダイ」の常連で、ムードメーカーを自任する。年末のこの日は仙台市青葉区のレンタルキッチンで、たこ焼きパーティー。湯気と歓声が上がる中、仙台で暮らすフランス、香港出身の若者に日本の「粉物文化」をみっちり伝授した。
 青葉区の藤崎本館に市が設けている訪日外国人観光客向け「仙台ツーリストインフォメーションデスク」で観光案内を務める。住民による観光ボランティアスタッフの育成にも携わり、オフの時間も外国人との交流に意欲を燃やす。
 中学1年の頃から英語に興味を持ち、高校は外国語科に進んだ。日本を好きになれず、海外志向が強かった。転機は、米国への留学だった。皆が自らの言葉でアイデンティティーを生き生きと表現していた。「応えられない自分を情けなく感じました。多様で柔軟な考え方に触れ、母国と素直に向き合えたのかもしれません」
 2013年春から1年余、米フロリダ州のディズニーワールドにある日本館で接客販売スタッフとして各国の人たちに応対した。大事にしたのは、背景にある物語。敬意を表すお辞儀の角度や扇子の使い方を教えたり、来場者の名前を平仮名で書いて手渡したりした。手応えは予想以上だった。「日本の当たり前こそが、新鮮な驚きを与える非日常だったのです」
 今春、観光ボランティアスタッフと共に地元ならではの「街歩きツアー」や「和文化体験」を催す。住民と外国人が感動を分かち合える内容を目指す。「案内する側が住んでいる街に愛着や誇りを持つことで魅力は届くと思います」
 東北を訪れる外国人観光客は全国の中でも少ないが、その分伸びしろは大きい。「米国での経験が糧になり、外国の方の気持ちに寄り添えます。大切なことを気付かせてくれた恩返しをしたいですね」(志)

[たかやま・このみ]87年盛岡市生まれ。東北外国語専門学校、米ワシントン州クラークカレッジ卒。盛岡観光コンベンション協会などを経て14年から一般社団法人「まちくる仙台」勤務。仙台市青葉区在住。