インバウンド(訪日外国人旅行者)数が好調の青森県は今冬、さらなる底上げを狙う。照準は韓国や台湾、オーストラリアなど。八甲田山(青森市)の樹氷や、奥入瀬渓流(十和田市)の氷結した滝「氷瀑(ひょうばく)」といった冬の観光資源のPRに力を入れる。

 2017年1~11月の青森県の外国人延べ宿泊者数は22万1770人と、東北で1位となった。10年の外国人宿泊者数の実に4倍。中国・天津との定期便就航や、ソウル線の増便が寄与しているとみられる。県交通政策課によると、天津線や台北からのチャーター便の平均利用率は8割超(昨年12月末現在)と今も順調に推移している。
 県や関係機関は、課題と指摘されてきた「冬の青森観光」を発信するため、韓国やタイなどの旅行代理店やメディア関係者を積極的に招待。1月9日から5日間、青森、五所川原両市を視察したハナツアー(ソウル)の担当者は「樹氷はきれい。立佞武多(たちねぷた)の歴史を守る制作者の話にも感動した」と好意的だった。
 県は行楽地・八甲田の樹氷をアジアに売り込むほか、オーストラリアのシドニーでも宣伝活動を展開。「北海道以外にも魅力のゲレンデがある」とスキー客の来県を呼び掛ける。昨季は延べ約1000人のオーストラリア人が県内の宿泊施設を利用する効果があった。
 1月13日にオーストラリアの友人ら3人と八甲田スキー場を訪れた北海道ニセコ町のスキーガイド粕谷崇弘さん(30)は「酸ケ湯温泉旅館から近く、雪もパウダー状でコースも広い」と高く評価した。
 十和田市の星野リゾート奥入瀬渓流ホテルは今年、9年ぶりに冬季営業を再開。同市との連携事業「氷瀑ライトアップツアー」には、台湾や韓国からの観光客が多く参加している。
 県誘客交流課の担当者は「アジアを中心に雪景色に魅力を感じ、県を訪れる人が増加している。それぞれの国々の方の旅行スタイルに合わせて動画などの情報発信をしたい」と意気込む。