スキー場がある草津白根山(群馬県草津町)の噴火と蔵王山(蔵王連峰)の噴火警戒レベル引き上げを受け、気象庁の常時観測火山に近い東北のスキー場が緊張を高めている。連日、噴火の兆候を監視したり、噴火しても雪崩が起きないよう除雪したりするなど備えに万全を期す。懸念された客足に影響はなく、厳しい寒さが続いてゲレンデ状態は良好。スキー場の担当者は「対策を取っており、安心して楽しんでほしい」と訴えている。
 福島県の磐梯山は昨年8月、火山性地震が一時的に増えたが現在は落ち着き、噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)だ。
 南側に位置する猪苗代スキー場(猪苗代町)ではスタッフが連日、パトロールの際に噴火の兆候がないかどうかを確認。火山活動の活発化で発生の恐れがある雪崩を防ぐため、降雪のたびに斜面からせり出して崩れそうな雪庇(せっぴ)などゲレンデの危険箇所の除雪をしている。
 鈴木聡副支配人(54)は「安全第一で対策を徹底している。安心して滑りに来てほしい」とPRする。
 岩手県や岩手山の周辺市町村、関係機関は2000年、全国初の火山防災指針となる「岩手山火山防災ガイドライン」を策定した。地震活動が活発になった1998年、入山が規制された経緯があるからだ。
 山麓のパノラマスキー場などを運営する八幡平リゾート(八幡平市)は草津白根山の噴火後、ガイドラインの被害想定や避難誘導などの再確認を従業員らに促した。毎年、地震や電源喪失を想定した訓練はしているが、噴火に備えた訓練はしばらく行っていない。
 鳥海良信総支配人(62)は「静穏が続き、記憶が薄れた部分もある。噴火場所によって噴石や灰がどこまで到達するのかを具体的に把握し、もう一度頭に入れ直したい」と語る。
 岩手県総合防災室も「県内の火山は活発化していないが、冬季の噴火は泥流が発生する可能性があり、速やかな情報提供が重要」と警戒を怠らない。県や周辺市町などは3月までにガイドラインに基づく避難計画を策定する方針だ。
 青森県の岩木山の中腹に広がる青森スプリング・スキーリゾート(鯵ケ沢町)は地震があればリフトを止め、噴火した場合は避難誘導する。最近は外国人客が増えているが、藤森正人スキー営業マネージャー(48)は「英語ができるスタッフがそろっており、心配はない」と断言する。