「紙ひも縛り」続けます-。勝部修一関市長が、紙ごみ回収の「一関ルール」継続に並々ならぬ意欲を示している。市と共にルールを作った北上製紙(一関市)は7月末で全事業からの撤退が決まった。それでも市長は「地域に根付いたリサイクル法」と強調。市民からは柔軟な対応を求める声も上がっている。
 一関市周辺自治体では、紙ごみは紙ひもで束ねて集積所に出す決まりになっている。中でも新聞紙と紙パックを縛る紙ひもは白色に限定。違反すると、紙ごみは集積所に積み残される徹底ぶりだ。
 全国でも珍しい紙ひもルール。長年にわたって旧一関市分の紙ごみを一手に引き受けてきた地元企業・北上製紙への配慮が起源という。
 古紙を原料に段ボールや新聞用紙を製造する北上製紙の手間や製品の出来栄えを考慮して、市は紙ごみの種別をひもの色で区別してきた。北上製紙の紙ひもも古紙再生品で、市民生活の定番商品になっている。
 たとえ再生紙工場が閉鎖し北上製紙の紙ひもが市場から消えても、別の紙ひもが流通する限り勝部市長は「市民に支持されたやり方を変えるつもりはない」と力説。だが、紙ひも使用で北上製紙による商品製造の一翼を担ってきた市民の間には異論がくすぶる。
 他地域では認められている紙製収集袋を使えないことに、80代主婦は「新聞紙をまとめて縛るのは高齢者にとって重労働」と不満を口にする。紙ひもより安価なビニールひもへの変更を望む声も多い。
 一方、80代男性は「肝心なことは焼却ごみを減らすこと。一関ではこのやり方を続けるべきだ」と市長方針を支持。突然決まった北上製紙の事業撤退が、市民の間でリサイクルを考える契機になっている。