日本のエースとして臨んだ大会初戦、小林潤は運に恵まれなかった。ノーマルヒルは31位でまさかの決勝1回目敗退。両手を掲げ、「なぜ」。着地から引き揚げるまで、何度もつぶやいた。
 「力みはなく、ジャンプの内容は良かったと思った」。ただ、跳びだした直後、追い風にたたかれたように大失速。93メートルはK点(98メートル)に遠く届かない。会場からは「あー」とため息がこぼれた。
 メダルの期待が懸かった大会だった。今季はワールドカップ(W杯)初戦で初優勝し、大きく飛躍した。安定して好成績を残しW杯ランキングは8位。ただ、1月下旬から調子が下がっていたのが気掛かりだった。8日の予選も18位。9日の開会式にも参加せず、調整したはずだった。
 「W杯でもこんな経験はない。緊張もなかったのに、(失敗の理由が)なんなのか分からない」。最後まで表情はこわばったままだった。
 16、17日はラージヒル、19日には団体がある。「納得いかない。早めに気持ちを切り替える。この悔しさをばねにする」。今は言葉を絞り出すのがやっと。名誉挽回へ、このままでは終われない。(平昌=佐藤夏樹)

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 ジャンプ男子ノーマルヒルは10日、決勝(ヒルサイズ=HS109メートル)が行われ、日本勢は五輪初出場の小林陵侑(土屋ホーム、岩手・盛岡中央高出)が2回とも108メートルの合計240.8点で7位に入賞したのが最高で、伊東大貴(雪印メグミルク)は103メートル、102メートルの214.7点で20位、45歳の葛西紀明(土屋ホーム)は104.5メートル、99メートルの213.3点で21位だった。
 アンドレアス・ウェリンガー(ドイツ)が104.5メートル、113.5メートルの259.3点で初優勝した。小林潤志郎(雪印メグミルク、盛岡中央高-東海大出)は1回目に93メートルの98.8点で31位にとどまり、2回目に進めなかった。