小学校の修学旅行先について、宮城を除く東北5県の県庁所在市のうち盛岡と秋田では、東日本大震災を機に北海道函館市の割合が高まっている。全国から修学旅行生が集まる福島県会津地方と同様、6年生が学ぶ近代史のスポットが多く、一定の人気を集める。
 盛岡市の小学校は2010年度、全44校が仙台市を訪れたが、震災直後の11年度は11校に急減。代わって青森や函館を訪れる学校が増えた。市教委は「震災の影響で施設や道路の状態が万全とは言えず、仙台を避けた」と説明する。
 その後、仙台を旅先に戻す学校は徐々に増え、17年度は27校まで回復する一方、函館も14校に上る。
 秋田市も震災後、旅先を主流だった仙台から変更する学校が増え、分散化が進んだ。17年度は全42校のうち、34校が仙台に戻したものの、歴史的な学習に役立つとの観点から7校が函館を選んでいる。
 函館は五稜郭や函館ハリストス正教会など史跡が多く、明治維新前後の歴史的な学習ができる。16年の北海道新幹線新青森-新函館北斗間開業でアクセス性が向上。市内の史跡や観光スポットを徒歩で移動できる利便性も魅力という。
 仙台市立の小学校で会津が人気なのも、歴史的な学習が理由。市教委は「会津は(小学6年の社会科で教える)幕末から明治にかけての歴史を学ぶ場所に適している」と説明する。
 福島市の小学校は、学習面を重視する修学旅行と、自然体験などをする宿泊学習に分かれる。17年度は全49校中17校が修学旅行を実施。行き先は大半が県内の会津だった。
 青森、山形両市は震災後に行き先を変更した小学校はほぼなかった。青森市は全校が函館を訪問。山形市は関東方面に向かう学校が大半となっている。