北海道新幹線奥津軽いまべつ駅(青森県今別町)を起点に、乗降客らを津軽地方の観光地へ運ぶ二次交通が不振続きだ。同駅と津軽鉄道津軽中里駅(同県中泊町)を結ぶ連絡バスの1便当たり平均乗客数は1人を割り込む。関係者は、奥津軽いまべつ駅に乗降客を呼び込む打開策を模索する。(青森総局・横川琴実)

 両駅間の連絡バスは片道約1時間、料金1200円で1日4往復、計8便運行している。2017年度上期(3~9月)の1便当たり平均乗客数は0.89人と目標の1人を下回り、運行する弘南バス(弘前市)に対し国と関係自治体はそれぞれ約685万円、計1370万円を補助した。
 国の補助金交付基準は17年10月、それまでの1便当たり0.5人から1人に変更された。このまま1人未満が続けば全額を自治体だけで負担しなければならなくなる可能性があり、関係者が危機感を募らせる。
 16年3月の北海道新幹線開業に大いに期待した津軽鉄道は、肩すかしを食らった格好だ。「思ったほど効果はなかった」と沢田長二郎社長は振り返る。16年度の津軽鉄道利用者は26万2600人。15年度の92.7%にとどまった。
 今別、中泊両町などでつくる両駅間のバス運行協議会は、不振要因は周知不足にあると分析。バスの愛称募集を手始めに、奥津軽いまべつ駅や新青森駅から津軽半島を周遊する旅行商品を企画するなど積極的な誘客活動を始めた。
 1月中旬には津軽鉄道や連絡バス、新幹線を利用して北海道木古内町を訪問する地元住民向け日帰りツアーも実施した。約40人が参加し、五所川原市の木村ときさん(80)は「木古内との近さを感じた。津軽鉄道やバスとの乗り継ぎ割引があるといい」と提案した。
 津軽地方観光の周遊拠点として期待が掛かる奥津軽いまべつ駅だが、そもそも同駅の乗降客自体が少ない現実がある。
 JR北海道によると、16年度の1日当たり乗客数は35人。協議会事務局の今別町は低迷の原因を「東京方面からの乗客は料金が割高になるため、新青森駅で降りてしまう傾向がある」とみている。
 奥津軽いまべつ駅に隣接する「道の駅いまべつ」のレンタカー事業もいまひとつだ。4~6割は電力や鉄道関係といったビジネスの利用で、観光客にはさほど使われていない。
 「北海道向けの観光パンフレットに津軽半島の観光地を掲載するなどして、道南から観光客を呼び込みたい」と今別町の担当者。不振の打開に向け津軽海峡の対岸に視線を注ぐ。