旅館すがわら(宮城県大崎市鳴子温泉)が、温泉熱を利用したカレーリーフ栽培に取り組んでいる。本場インドカレーに欠かせない香辛料で、生葉は高値で取引される。宿泊客の減少が続く中、使わなくなった客室での量産化も見据え、新たな収益の柱を目指す。

 ロビーの窓際にミカン科のオオバゲッキツの鉢植えが並び、青々とした葉(カレーリーフ)を茂らせる。昨年6月に購入した30鉢は発光ダイオード(LED)の光を浴び、温泉熱交換機による暖房が効いた室内で冬場も成長を続ける。高さは約20~30センチになった。
 初挑戦だけに試行錯誤を重ねている。昨年12月には屋上に約7平方メートルのサンルームを作り、温泉熱で温めた約70度の湯を引き込んだ。室温25度程度が望ましいが、厳寒続きで15度を下回ることもあり、生育不良となったという。
 狩野祐二郎社長(38)は次の一手として客室に着目した。宿泊客の減少や従業員確保が難しいことから、全22室のうち6室は稼働していない。狩野社長は「温泉熱と遊休設備という今あるものをうまく使って収益を生み出したい」と生産拡大に意欲を見せ、将来はネット販売を視野に入れる。
 国内で流通するカレーリーフは乾燥品がほとんど。風味豊かな生葉は主に沖縄県で栽培されているが、県外への持ち出しには検疫が必要。温泉熱を利用したカレーリーフ栽培に先駆的に取り組む奥飛騨温泉(岐阜県)の業者は40グラム1600円でネット販売している。