「メダルを取る」という小田の気持ちは本物だった。オランダら海外勢の牙城だった中距離種目で5位に入る快進撃にも、うれしさはみじんもない。「悔しい。あと少しだった」。喜ぶどころか、今にも涙がこぼれそうだった。
 同走のナウシュは速過ぎた。700~1100メートルにかけてぐんぐん離された。それでも強敵相手に「気持ちは上がった」。最後の1周で諦めず追い掛けたことでタイムが伸びた。
 ゴール後、スピード大国オランダ応援団の大歓声に会場が包まれる中、膝に手を当て静かに唇をかんだ。メダルまで0秒51。「こんなチャンスは何回もない。勝ちたかった」。言葉を詰まらせた。
 4年前は代表落ちし、今回が初出場。ここまで押し上げたのは、コーナーワークの修正があったからだ。以前は遠心力で尻が回り、脚に力が伝わらなかった。今季途中にブレードを変えたことで改善した。ワールドカップ(W杯)は4戦中3戦で1桁順位。五輪のメダルは夢ではなくなっていた。
 23日に1000メートルに出場する。「この悔しい思いをぶつけたい」。次こそは表彰台で笑顔を見せる。(平昌=佐藤夏樹)