中心市街地に歩きやすい空間をつくり、にぎわいを取り戻そうと、宮城県名取市増田地区で民間主導の「歩道」づくりが進められている。県道仙台名取線(旧国道4号)沿いの段差を解消し、赤く塗って通行車両からの視認性も良くした。商店主らからは「客が来やすくなった」と好評という。

 事業主体は増田地区の住民や市商工会などでつくる名取まちづくり株式会社。地権者の協力を得て県道脇の幅約1メートルを空けてもらい、県道と同じ高さにそろえるバリアフリー化を実施。歩道だと示すためにカラーリングも施した。自治体のように用地買収をし、縁石を設けて歩道を敷設する方法とは一線を画す。
 まだ通行幅の狭い場所があるものの、県も県管理部分の塗装に協力し、独自の歩道は長さ約1キロに及ぶ。中心市街地だけに駐車場は少なく、通行人は走行車両に危険な思いをして歩いていたが、解消されつつある。同社は地権者からさらに協力を取り付け、2019年度に事業を完了させる方針だ。
 増田地区はJR名取駅に近く県道沿いに商店が立ち並ぶが、近くの大型ショッピングモールなどの影響で空洞化が進展。行政任せにせず住民が率先して立ち上がり、まちに関心を持ってもらおうと16年3月に事業を始めた。
 市などが出資する同社がこれまでに拠出した経費は約130万円。民間がハード整備まで担うケースは県内で他に例がないという。
 名取駅前では市図書館などが入る複合ビルが12月にオープンする。同社の佐々木博之社長は「通行人の安全を確保し、複合ビル完成も起爆剤に、まちを活気づけたい」と意気込む。