一般会計の総額が97兆円を超える過去最大の2018年度予算が成立した。2月末の衆院通過後、森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざん問題が発覚。参院予算委員会で質疑に多くの時間が割かれ、予算案そのものの審議は生煮えで終わった。単純比較はできないが、地方議会では当初予算は最重要議題。かつて地方自治の現場で論戦を交わした経験のある国会議員に、予算審議の在り方を聞いた。
 「市議会は折り合えるところを探るが、国会は与野党の対立ありきで最初から相いれない」。仙台市議を経て、昨年の衆院選で初当選した立憲民主党の岡本章子氏(比例東北)は相違点を説明する。
 予算委に所属し、裁量労働制に関する厚生労働省の不適切データ問題を追及した。「政権の責任を問えるのは首相が出席する予算委。数が少ない野党としては世論に訴え続けるしかない」と振り返る一方、「(特定テーマの)集中審議と予算審議のめりはりは付けた方がいい」と指摘する。
 「国民生活や自治体のため、予算を年度内に成立させることが政権政党の責任であり、宿命だ」。宮城県議を務めた自民党の土井亨復興副大臣(衆院宮城1区)は強調する。
 与野党の攻防激化で審議が滞るうちに年度末が迫り、議論が尻切れとなるパターンを問題視。「文書改ざんの究明は大事。それは特別委など別の場で行い、予算委は予算審議が中心であるべきだ」と主張する。
 霞が関の見方はどうか。自治体への出向経験がある官僚は「膨大で多分野の国会はざっくり。住民の暮らしに直結する地方議会はシビア」と例える。
 国の予算審議については「与党の事前審査システムはしっかりしているが、与野党共に政策スタッフを充実させ、建設的議論を深めてほしい」と注文を付ける。
 国会では昨年、安倍晋三首相と野党党首が議論する党首討論が一度も開かれず、今国会も実現していない。与党側が拒否したり、野党側が予算委を優先したりした経緯があったにせよ、制度の形骸化は否めない。熟議できる環境整備に向け知恵を絞るべきだ。(東京支社・瀬川元章)