山形、山梨両県で20代の女性3人を乱暴したとして、強姦(ごうかん)致傷などの罪に問われたNHK山形放送局の元記者弦本(つるもと)康孝被告(29)=懲戒免職=の裁判員裁判初公判が10日、山形地裁(児島光夫裁判長)で開かれた。被告は「全て間違っている。私はやっていない」と否認し、無罪を主張した。判決は25日の予定。

 弁護側は、現場で採取された遺留物のDNA型が被告と一致したとされる鑑定に言及。犯人以外のDNAが混じっている可能性があるとして「信用できない」と強調した。
 冒頭陳述で検察側は、2014年の山梨県内の事件で、被告は被害者と取材で知り合い、懇親会の帰りにタクシーで送って自宅を把握したと指摘。一部事件で被害者宅の間取り、クロロホルムを使った状況などをメモ帳に記していたことを明らかにし、「犯人でなければ作成できない内容だ」と主張した。
 DNA型の鑑定結果については「被告と完全に一致している。鑑定試料の採取や保管には細心の注意を払っており、汚染や取り違いの可能性はなく、信用できる」と反論した。
 被害者の一人は、証人尋問で「事件後はフラッシュバックや不眠で苦しみ、病院に1年間通った。反省しないまま刑務所から出られるのは困る」と訴えた。
 起訴状によると、弦本被告は山形放送局の記者だった16年2月23日、山形市内の女性宅に侵入して性的暴行を加えて約2週間のけがをさせたほか、甲府放送局勤務の13年12月と14年10月にも山梨県内の女性宅に侵入して乱暴した。13年の事件では、女性の口にクロロホルムを染み込ませた紙タオルを押し当てるなどして抵抗を防いだとされる。
 弦本被告は11年4月に入局し、甲府放送局に配属。15年7月に山形放送局に異動、昨年2月16日付で懲戒免職となった。