山形県飯豊町が地形や地質、歴史・文化、信仰などの切り口から同町中津川地区の魅力を紹介する観光ガイドブック「中津川ジオサイト」を作成し、町内外の観光、宿泊施設で無料配布している。
 中津川地区は農家民宿が点在する山あいの小さな集落。住民は約300人で、有名な観光名所があるわけではないが、農村体験の修学旅行や台湾などからのインバウンド(訪日外国人旅行者)を積極的に受け入れている。
 ガイドブックはA5判、24ページで、町民さえあまり知らない「地元の資質」に光を当てた。写真を大きく掲載し、文字情報を抑えているのが特徴で、フォトブック感覚で楽しめる。題名の「ジオサイト」は、貴重な地形や地質などを備えた自然公園「ジオパーク」の主たるスポットを指す。
 「大地の記憶を語る景観」と「人の暮らし・生産文化の痕跡」「大いなるものへの祈り-信仰の史跡」の大きく3項目、計15カ所を日本語と英語で解説。露天風呂の中にある間欠泉で知られる「湯ノ沢間欠泉」では、温泉に含まれる炭酸カルシウムがゆっくりと固まってできた「石灰棚田」の現象を、近景撮影でとらえている。
 古代に海だったことを示す白川ダムの地層や戦国時代に金の採掘場所だったと伝えられている鉱山跡など、どれも一般的な観光ガイドブックでは紹介されない興味深いスポットが満載だ。
 山形大名誉教授(古生物学)の山野井徹さんら専門家らが現地調査してまとめた報告と撮影資料を、山形県朝日町在住の陶芸家長岡千明さんが編集、デザインした。連絡先は飯豊町商工観光課0238(87)0523。