熊本地震から2年となるのを機に熊本市で15日に開かれるシンポジウムに、大船渡市のNPO法人役員で漁業者の中野圭さん(31)が出席し、大学生らと実践する地域活性化策を紹介する。若い人材の不足は東北、熊本の被災地に共通する課題。「復興の担い手となる仲間をどう増やすか、自分の経験を伝えながら共に考えたい」と語る。

 中野さんは2012年から勤めるNPO法人「いわて連携復興センター」(北上市)の理事。熊本県庁で地元NPOが開くシンポジウム「地域コミュニティ再生から見る震災後の熊本の未来」に出席する。1995年の阪神大震災の被災地で活動した市民団体の代表らと、地域再生の取り組みを紹介する。
 東京都で2010年秋に木材流通関連の会社を起業した中野さんは東日本大震災後、津波で甚大な被害を受けた出身地・大船渡の復興の力になろうと帰郷。被災者と支援団体をつなぐNPOの活動に励みながら、家業の養殖漁業を両親と営む。
 東北の被災地ではインフラ復興が進む一方、人口減に歯止めがかかっていない。熊本県の被災地でも、震度7の激震に2度見舞われた益城町や西原村などが同じ課題に直面する。「復興事業が終わればさらに人が減り、風化も進む。地域を支える仲間づくりが課題」と指摘する。
 苦境を打開しようと14年には新たなNPO法人を大船渡市に設立。首都圏を中心に大学生をインターンとして被災地の企業に紹介する事業などを展開してきた。「若者に被災地の課題を少しでも知ってもらい、企業側の活性化にもつながる取り組みとして共有したい」と強調する。
 復興支援のNPO活動と漁業という二足のわらじを履く理由も「なくしてはいけない地場産業を残したいから」と明快だ。「大事なのはやり切る覚悟。いま動かなければ、という危機感を熊本の被災地にも伝えたい」と力を込める。
(報道部・小沢邦嘉)