環境省福島地方環境事務所長に就任した室石泰弘氏は、福島市内の同事務所で河北新報社のインタビューに応じた。本年度、東京電力福島第1原発事故に伴う除染土などを保管する中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)への輸送が本格化することを踏まえ、「現場感覚で素早く判断し、対応する」と話した。(聞き手は福島総局・阿部真紀)

 -本年度から総務、環境再生・廃棄物対策、中間貯蔵の3部を新設した。所長は本省課長級から審議官級に格上げされ、体制が強化された。
 「より決定権を持って対応できるようになった。(空間放射線量の測定や監視など)モニタリングの予算や、一部の除染に関わる工事といった契約締結などに関し、本省ではなく所長の判断で決められる」

 -本年度の重要課題は。
 「仮置き場に保管している除染土の中間貯蔵施設への輸送量は180万立方メートルを見込み、事業としては重要な時期に入る。輸送車両の増加に伴う渋滞対策は、渋滞が発生しにくい間隔で車両を走らせるなど先手を打っていきたい」

 -福島の復興をどう進めるか。
 「帰還困難区域では、居住可能なエリアを設ける特定復興再生拠点区域での家屋解体や除染を効率的に進める。避難指示が解除された区域では、帰還住民の生活ごみの処分など細やかな対応が必要だ。市町村ごとに置かれた立場が違うことを肝に銘じたい」

 -県内約1300カ所に上る汚染土の仮置き場の撤去見通しは。
 「2019年度には半数を撤去したい。撤去後の土地活用は地権者の意見を聞きながら対応する。畑にして特産物を育てるなど直接復興につながる取り組みもできるかもしれない」

 -県民は中間貯蔵施設の最終処分地化を懸念している。30年以内の県外搬出に向けた取り組みは。
 「(減容化や選別などによって)最終的な量や放射性物質濃度が現段階では分からない。(県外に)受け入れをお願いするため、まずは選別技術などしっかり確立し、データを蓄積していく」