大崎市の伊藤康志市長は16日、東京電力福島第1原発事故で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染廃棄物の試験焼却について、早ければ関連予算を含む本年度一般会計補正予算を市議会6月定例会に提出し、9月定例会前に試験焼却に着手したい考えを示した。
 市役所であった市長選の当選証書授与式の後、報道陣の取材に答えた。伊藤市長は「試験焼却が争点となった選挙で投票者の7割以上の信任を得て、一定の理解は得られた」と述べ、焼却場や最終処分場周辺の住民への説明会と並行して予算措置を進める方針。
 試験焼却開始に当たり、搬入物の内容に関して施設がある地元行政区や水利組合と結ぶ協定などの変更については「現在のままで入れさせてもらいたい」との考えを示した。
 「試験焼却開始は住民の理解が前提」としながらも、反対する行政区などの合意取り付けについては「一人一人との合意にのみこだわると、焼却時期は見えてこないだろう。最終的には政治決断を含めて判断しなければならない」と語り、直接的な同意が得られなくても試験焼却に踏み切る可能性を示唆した。
 同市三本木の最終処分場に近い伊賀行政区は、焼却灰搬入に伴う浸出水の汚染や、風評被害への懸念を理由に試験焼却反対の署名簿を市に提出している。相沢雅弘区長(65)は「市長選の結果は結果として、焼却灰の受け入れ反対に変わりはない」との立場を崩していない。