全ての客室を禁煙にするホテルが仙台圏を中心に東北で増えている。喫煙者が減ったことに加え、2020年東京五輪に向けて政府が強化する受動喫煙防止対策に対応した。他のホテルに先行することで、禁煙ニーズの高い家族連れや訪日外国人旅行者(インバウンド)を取り込む狙いもある。
 仙台国際ホテル(仙台市青葉区)は4月1日、全客室を禁煙にした。従来は禁煙と喫煙をフロアで分け、全234室のうち80室で喫煙できたが、館内2カ所の専用スペースに限定した。
 ホテルは昨年3月から全客室のリニューアルを進めている。客室単価を上げるため、宿泊の8割を占めていたシングル利用からファミリー利用への転換を図るのが狙い。ベッドなどの設備の変更に加え、全室禁煙を導入した。
 販売促進部宿泊課の菅原誠支配人は「近年は禁煙室の予約が圧倒的に多く、家族やカップルは特にその傾向が強い。インバウンドの利用を増やしていくためにもマスト(絶対)だった」と言う。
 JR仙台駅周辺には近年、全室禁煙施設の開業が相次ぐ。駅東口でホテルビスタ仙台が16年4月、ホテルメトロポリタン仙台イーストが17年6月、西口でアルモントホテル仙台が17年8月にオープンした。
 メトロポリタンを運営する仙台ターミナルビル(仙台市)は、駅西口の本館に喫煙可能なフロアを残す。担当者は「両館ですみ分けを図り、たばこを吸う人にも吸わない人にも快適な環境を提供したい」と語る。
 アルモントホテルは喫煙所を屋外の駐車場に設け、館内は完全禁煙にした。今後新設される同系列のホテルは全て全館禁煙にする方針だという。
 ホテルの全室禁煙は、日本が世界各国に比べて遅れていた。外国人スキー客らが多く訪れる安比高原(八幡平市)のホテル安比グランドは17年9月、全室を禁煙にした。担当者は「禁煙を求める人は国内外を問わず増えている。世の中に合わせた自然な流れだ」と話す。