旧優生保護法(1948~96年)下で強制不妊・避妊手術が繰り返された問題で、10代で不妊手術を強いられた宮城県の70代女性が17日、国に3850万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。旧法を巡る同地裁への提訴は1月に続き2例目。今後、さらに増える可能性がある。

 訴えによると、女性は63年に県の精神薄弱更生相談所(当時)で受けた知能検査で軽度の知的障害と診断され、16歳時に卵管を縛る不妊手術を受けた。子を生めない体であることが原因となり、3回の離婚を経験した。
 女性は「97年に県に手術に関する情報開示を求めてから約20年間、国に謝罪と補償を求め続けたが、黙殺された」と強調。1月に全国初の国家賠償請求訴訟を同地裁に起こした60代女性と同様、手術は個人の尊厳を保障する憲法に違反するにもかかわらず、政府と国会が救済措置を怠り続けた「立法不作為」を主張している。
 手術理由を記した「優生保護申請書綴(つづり)」など当時の関係書類は見つかっていないが、県は相談所が作成し手術の必要性を認めた「判定書」が現存することなどを踏まえ、手術事実の立証に協力する方針。
 仙台市内で記者会見した女性の弁護団は「被害を訴えやすい環境が少しずつ生まれてきた。国は早い段階での謝罪と補償を実現すべきだ」と述べた。厚生労働省母子保健課は「訴状が届いておらず、コメントは差し控える」と話した。
 避妊手術を受けたとされる札幌市の小島喜久夫さん(76)と、宮城県内で手術を受けたとされる東京都の70代男性も17日、それぞれ札幌、東京各地裁に提訴した。