<購買意欲刺激>
 仙台市内でも書籍だけでなく、さまざまな商品を売ったり、カフェを併設したりする複合型の営業で集客を狙う書店が増えている。
 その象徴とも言える店が2017年11月に太白区にオープンした。蔦屋書店アクロスプラザ富沢西店だ。旅行や美容などテーマごとに関連商品と書籍をまとめて置いている。書籍と商品を混在させているため、眺めていると、どちらも自然に目に入ってきて、購買意欲をそそる売り場作りだ。

<児童書が堅調>
 児童書売り場は玩具やキャラクターグッズに囲まれ、中央には円形テーブルやいすもある。子どもたちが居心地いい空間を演出している。
 中野勝店長(34)は「手応えを感じている。これからは書店も生活スタイル全般を提案する複合型が主流になってくると思う」と話す。
 青葉区のヤマト屋書店仙台三越店は、子どもや孫にプレゼントを贈りたいという人のニーズを反映し、児童書売り場で玩具も販売。それが奏功し、集客につながっているという。
 児童書担当の鈴木典子さん(40)は「近年は売れ筋だった雑誌や漫画本も落ち込む中、児童書は堅調だ。児童書は電子書籍よりも紙で読まれる割合が高く、ロングセラーが多い。玩具を置くことで、親や祖父母がプレゼント選びに訪れ、書籍も買ってくれるようになった」と話す。
 ヤマト屋書店の東仙台店(宮城野区)や仙台八幡店(青葉区)は、古書の買い取りと販売のほか、購入前の書籍を持ち込んで読めるカフェを併設。「価格の安い古書も利用し、たくさん本を買いたい」「ゆったりと本選びをしたい」-。本好きの心理に添った集客に努めている。

<出版社と催事>
 催事で店を盛り上げようとしている書店もある。泉区の八文字屋書店泉店だ。出版社や児童書の読み聞かせのボランティアと協力し、催事を展開している。
 梅津清太郎店長(58)は「出版社とのイベントは、多い時には年間10回は実施している。それが本の面白さを伝えることにつながっている。イベントの積み重ねが書店の力になっていると思う」と自負している。
 仙台市の出版社荒(あら)蝦夷(えみし)は、同店や青葉区の喜久屋書店仙台店で著者を招いたトークショーなどを積極的に企画。土方正志代表(55)は「イベントは著者と書店、読者をつなぐことができる貴重な機会だ。協力的な書店の存在はありがたい」と語る。
 「今は書店には厳しい時代だ。受け身で本を売るだけでは生き残れない。時流に対応して、積極的に策を打たないといけない」。梅津店長は気を引き締めている。


◎本屋さん私の歩き方/フリーアナウンサー・風間みなみさん 棚見回し直感で購入

 年に200冊くらい本を読みます。一番好きな作家夢枕獏さんの作品をはじめ、伝奇物やSF、ミステリーなどの小説が中心。仕事帰りや、仕事と仕事の合間に15~30分の空き時間があったときなど、週に1度は本屋さんに行きます。仙台市中心部の店が多いですね。
 お目当ての本を決めずに行き、表紙の装丁やタイトルを見て直感で選ぶことがほとんど。店に入ったらまず、棚を全部周回して棚の端から見ていき、気になったら手に取ります。
 自分で言うのもなんですが、鼻が利くんです。好きだと思う本は「私ここです」と言っているみたいな、ピカピカする感じがします。吸血鬼の物語が好きなのですが、それが表に出ていなくても、買って読み進めると吸血鬼物だった、ということも結構あるんですよ。
 店で目が合った本は、そのときに買った方がいいと考えています。そこで買わないと、二度と出合わない気がするんです。「この本、気になるな」と思ったまま買わずに帰り、後から探し出せなかったこともありました。持ち運びのしやすさなどから文庫派で、持てるだけ持ってレジに行きます。かごがある店はありがたいです。
 私のつぼが押さえられている、と感じる陳列の書店もあります。そういう店では、担当の書店員さんと目を付けるところが一緒なんだろうな、と思って自分では選ばないような本まで買ってしまいます。
 大学卒業後に6年間暮らした長崎市で、ラジオ番組の企画として書店の一日店長を務めたことがあるんです。「こんな本を探している」と尋ねられたり、お薦めの絵本を聞かれたりしました。現在パーソナリティーを務めるDate fmの番組では、毎週水曜にお薦め本や、季節に合った本をセレクトして紹介しています。仙台でも一日店長として呼んでもらえるよう頑張りたいです。

[かざま・みなみ] 1986年仙台市生まれ。宮城教育大教育学部卒。FM長崎アナウンサーなどを経て2016年から仙台のテレビ、ラジオなどで活動する。Date fm「Morning Brush」(午前7時半~11時)火、水曜担当。32歳。仙台市在住。