岩手県内の米作地帯で、田植えの最盛期を迎えている。昨年の県産米は全銘柄で、日本穀物検定協会による食味ランキングの最高ランク「特A」を逃した。失地回復を目指す県や農協は今年、人工衛星による水稲の生育管理システムを導入。首都圏への売り込みにも力を入れる。

 奥州市の農業千葉永さん(69)の水田でも12日、栽培2年目となる県の最高級品種「金色(こんじき)の風」の田植えが始まった。
 「金色の風は、まだ栽培方法が確立されていない。昨年は未熟のまま稲を刈ってしまい、食味にばらつきが出たのではないか」と千葉さん。適量施肥、適水温管理など「育て方を工夫すれば、もっとおいしいコメになる」と意気込んだ。
 2017年産米で特A銘柄がゼロになった原因を県は「8~9月の低温と日照不足」と分析。人工衛星からの画像データなどに基づいて水稲の葉色を数値化し、生育状況を管理するシステムの導入を決めた。
 データを蓄積し、来年以降も最適な肥料量や収穫期の決定に生かすという。
 金色の風とブランド米「銀河のしずく」は、ブランド力の強化も課題だ。JA県本部は、首都圏で百貨店への売り込みや大手スーパーでの試食販売を強化。1人世帯に好評だったレトルトご飯の販売を増やす。
 県の計画によると、今年の金色の風の作付けは、県南2市2町で224ヘクタール。昨年から倍増となり、1000トンの収穫を見込む。銀河のしずくも昨年の1.7倍の1362ヘクタールに作付けし、7500トンの収穫を目指す。