年に何度か、仕事の節目に職場でささやかな打ち上げがある。先月、近くの仙台朝市からさかなを調達して開いた。「この刺し身の盛り合わせ、店で頼んだらかなり高いだろうな」などと舌鼓を打ちながら、気兼ねなく楽しめる雰囲気は結構気に入っている。
 そろそろお開き、という時だった。某部員が緊張した表情で立ち上がった。話したいことがあるという。さては驚異のカミングアウトかと、一瞬全員が静まった後に出てきたのは「あのう、席替えしませんか」。
 職場にはもちろん机があるが、全員分はなく、何となくそれぞれが“既得権”を行使していた。不満が出て当たり前。取りあえずカメラがあれば間に合った今までと違い、最近は独自の写真企画や記事の出稿も増えた。取材や原稿執筆で机はますます需要が高まっていたわけだ。
 席替えと言いつつ、「俺にも机を」という脅しのムードが漂っていた。そこで机を増やし、あみだくじで配置を決めて一件落着。「懸案を解決したんだから、もっと仕事しろ」と部長がハッパを掛けたそうな顔をしているが、まだ言われていない。
(写真部次長 長南康一)