「この記事は使いたい」。そう思って他のページを担当するデスクに聞いてみると「使わない」。ラッキー。さっさと原稿を紙面製作の担当者に渡した。
 日によって担当するページが違う。その日は国際や経済のページだった。
 記事を新聞のどのページで使うか、ページによって優先度が異なる。最優先は目立つ1面や社会面。使いたい記事があっても、優先度が高いページの担当デスクから「こっちで使う」と言われれば、渋々譲ることになる。
 記事は平昌五輪で小平奈緒選手が金メダル、韓国の選手が銀メダルを取ったスピードスケート女子500メートル競技の翌日、両選手が健闘をたたえ合ったことを韓国メディアが好意的に報道していると伝えた。
 「大会を特徴付けるエピソード」と思い、使いたかった。ぎくしゃくする両国関係の記事を日頃、嫌というほど扱っていた反動もあったか。
 いや国境を軽々と超えるスポーツと、人と人の関係の素晴らしさを感じさせたからか。記事を使え、ささやかながら自分なりに五輪に参加できたような気持ちになった。(整理部次長 八代洋伸)