取材した方や読者から、自分の書いた記事を切り抜いて持っていると言われるのはうれしい。昔、ある経営者の紹介記事を書いたとき「切り抜きをコピーして名刺代わりに配っている」と連絡があった。今振り返ると少し持ち上げすぎたかと思うが、光栄なことだ。
 デスクや記者は、日々記事の切り抜きをしている。特にスポーツ記事はアスリートの歴戦の記録そのものであり、記者にとっては自己の仕事の証明だ。国内外の野球、サッカーをはじめとする各種競技、高校、中学、東北、宮城など詳細なジャンルに分けてスクラップブックに残していく。
 と、格好良く言ってはみたが、切り抜きは正直面倒だ。これまで長期間放置したことが何度もあった。それほど原稿を書いていたわけでもないのに、後々己の非を悔いながらまとめて切り貼りすることになる。
 今では、データベースがあり、コンピューターで検索すれば、大方の記事を画面上で見ることができる。それでも、紙に印刷された記事の切り抜きは特別な感慨がある。記者の苦労と、切り抜きの辛苦が、ぬくもりのように伝わってくるのだ。(スポーツ部次長 山内一也)