東日本大震災、福島第1原発事故が起きて、11日で丸7年を迎えた。昨年あった大きな節目が、福島の原発事故被災地が対象になった避難指示解除。その後の1年で何が変わったか。
 目に焼き付いているのは浪江町で取材した家々の光景だ。住民が避難して不在の間、雨漏りによる腐敗のほか、イノシシなど大小の動物の侵入で荒らされ、巣にされ、荒廃していた。
 「解除と聞き希望を抱いたが、これを見たら…」。避難先から見に来た高齢の住民の顔が痛々しかった。
 大半の住民が戻らない飯舘村のある地区では、帰還した農家がたった1人で農地の再開墾に苦闘し、除雪車が減らされた冬道の確保にトラクターで挑んだ。
 毎日の食料や福祉のサービスも村外に頼らざるを得ず、ドラマ『北の国から』の生活を思い出させた。
 新しい拠点施設やJR駅周辺、再開予定の学校などは国の予算で立派に整備されたが、復興を担うのは人だ。まだまだ数少ない帰還者を支え、隣人を呼び戻すような地域再生策が、解除後2年目に必要だろう。
 解除とは復興の意味ではない。その現実を広く伝える発信を続けなくては。
(論説委員 寺島英弥)