前任地の塩釜支局での最後の取材は3月28日、塩釜市営汽船の新造船就航式だった。真新しい船に乗って桂島、野々島、寒風沢島、朴島を巡った。4月に本社への転勤が決まっていただけに、島々の緑、海の青が鮮烈に目に映った。
 記事を読んだ知り合いがメールをくれた。「新造船の就航を、自分の船出に重ねたんじゃないですか」。「そう受け取っていただきありがたいです」といい気になっていたら、本社に戻っていきなり荒波にもまれてしまった。
 取材し、写真を撮り、記事を書くことから仕事の内容が激変。取材の手配、他部との連絡調整、記事の問い合わせ、郵便の仕分け…。書類を抱えて社内を右往左往し、まるで波に翻弄(ほんろう)される小舟のよう。毎日、船酔い状態だ。
 新年度に入って間もない。新しい職場で慣れない仕事に追われるご同輩も少なくないのでは。私の場合、塩釜支局時代に取材を共にした他社の先輩記者の言葉を処方箋にしている。
 「聞くはいっときの恥、聞かぬは一生の恥」
 次に小欄を担当する頃には船酔いが治まり、安定航行に入っている、はずだ。(報道部長代理 山野公寛)