イヌも歩けば棒に当たる-。入社して写真を撮り始めた頃、当時のデスクが教えてくれた。「とにかく街をぶらつけ。思いがけない発見がある」と。
 思えば、写真界の巨匠・森山大道さんの持ち味は路上をさすらう「野良犬のような視点」だった。スリリングなストリートスナップは、60年代から時代の光と影を鋭く捉えてきた。
 飼い犬も役に立つ。部員のSさんが先日、やぶから棒に「うちのポチが変な物を見つけまして」。自宅近くの公園を愛犬と散歩中、木の根元に付着したサッカーボール大の「泡の塊」を10個も見つけたという。
 専門家に聞いても見解はさまざま。昆虫が大量発生した際に出す「ネバネバ物質では」などと説明されたものの、いずれも決め手に欠けた。何だかよく分からなかったが、とにかく忠犬のおかげで記事にすることができた。
 不思議に目を見張り、紙面に載せた時の見栄えをかぎ分ける感性。写真記者に必要な能力だが、そもそも行動しなければ何事も起こりようがない。歩きながらそこら中かぎ回って、おかしな物を見つけたポチは偉い。見習わなければ。
(写真部次長 門田勲)