盛岡で同僚だった中堅がこの春、異動してきた。やや顔色が悪い。「胃腸の調子が…。早めに帰っていいですか」。自分もそうだったが、生活環境が激変して疲れがたまったらしい。
 スモーカーなので「この際、たばこやめたら」と働き掛けた。支社が入るビルは全面禁煙。東京都が2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、罰則付きの受動喫煙防止条例案を都議会定例会に提出することも説得材料にした。
 従業員を雇っている飲食店は面積にかかわらず原則屋内禁煙。都内飲食店の84%が規制対象となる。
 実は自分も十数年前までたばこが手放せなかった。教訓を踏まえ「禁煙すると食事がすごくおいしい。原稿も早く書けるようになる」と勧めたが、なかなかやめられないようだ。
 そんな時、本社からベテランが出張してきた。ヘビースモーカーの敏腕。夜の意見交換では焼酎とともに紙巻き、加熱式を交互に味わう。紙巻きがなくなると、中堅からもらっておいしそうに紫煙をくゆらす。
 中堅は残り数本になった箱に目が点。ちょっとかわいそうだったが、やっぱりやめた方がいいよ。(東京支社編集部長 吉岡政道)