「どうしたんすか、そんな深いため息ついて。楽しくやりましょうよ」
 おおかた仕事のめどがついた午前0時、部下から声を掛けられた。「その通りだな、ありがとう」
 疲れてはいる。が、やせ我慢でそう答えたわけでもない。50の坂を越し、元気を表に出す余力がもう残っていないだけ。「良い原稿を使えて良い紙面になった時は、おれも楽しいんだよ」。恥ずかしいから、こっそりつぶやく。
 新聞という、ものづくりをしている。では、ものづくりの楽しさとは? 納得できる仕事ができるかどうかだろうなと思う。
 働き方改革ばやりである。組織が労働者を死に追いやるような業務を強いたら、非難されて当然。だが自分が納得できるような仕事は、時間も労力もかかるものではある。
 価値観の問題だ。相手に問い掛けはできても、強制できない。膨大な原稿からニュースを探し、紙面作りの担当者に託す。「仕事って、こういうもんじゃない」。言葉にせずとも背中で語る。結構つらい。ついつい、ため息が出る。でもため息をつくからって楽しくないわけではないのだよ。(整理部次長 八代洋伸)