仙台大(宮城県柴田町)の講義に呼ばれ、報道写真について話した時のこと。カメラ2セットを持参し、学生の両肩に掛けてもらった。レンズを含め全部で約8キロ。ある男子学生は「うわー、こんなに重いのか」と驚いていた。
 「写真部の記者は常に2台のカメラを持ち歩いている。なぜでしょう、分かるかな?」と聞いてみた。すると「とっさの時に、レンズを取り換える暇がないから」とある女子学生は答えた。それも正解だが、もっと切実な理由もある。
 撮影現場はいつも天気がいいとは限らない。土砂降りもあれば、ひどく寒い時もある。もしカメラにトラブルが起きたり、バッテリーが切れたりしたら、1台ではお手上げ。そんな不安に今もおびえている。
 締め切り時間が迫る。ミスが許されない決定的な場面。手に汗がにじむ。あれっ? 押しても押しても、シャッターが切れない。あー、もう駄目だ…。
 つい先日、絶望的な夢を見て目覚めたら、肩がコリコリ。カメラの重さで慢性化している。この肩凝りは不安解消の代償かと妙に納得して、いつものように肩をぐるりと回した。
(写真部次長 長南康一)