「写真は何を語れるか」。ちょっと早く家の大掃除をしていたら、こんなタイトルの冊子を見つけた。1997年にカメラメーカーが配布した物。その頃の日本を代表する写真家24人のヒューマンドキュメント作品が並ぶ。
 表紙が黄ばんでいたが、中の写真は色あせず胸に訴えて来る。名を連ねた人たちの多くが今も現役で活躍しており、報道写真家の長倉洋海(ひろみ)さん(66)=東京都=もその一人。
 80年代から、紛争が続くアフガニスタンの取材に取り組み、ライフワークにしている。反タリバーン勢力の指導者に密着したルポなど、数々の印象深い写真を撮ってきた。
 本人と先月会って話を聞くと「今も毎年のようにアフガニスタンに足を運んでいる」と言う。主な目的は教育支援。学校の運営費などを提供し、貧しい生活の中で懸命に学ぶ子どもたちの成長を記録する。
 「ニュースの断片じゃなく、人間が生きることの美しさに焦点を当ててきた」と長倉さん。写真という“言語”を駆使して、人の世の物語をつづる。容易には解けない昔からの難問に、今も自問している。
(写真部次長 門田勲)