全国各地の「来訪神 仮面・仮装の神々」がユネスコの無形文化遺産に登録される。東北からは4件。大船渡市の「吉浜のスネカ」も選ばれた。
 各地で祝賀イベントがあって本紙も喜びの声を伝えたのだが、スネカ保存会だけは「見せ物じゃない」とお祭り騒ぎに背を向けた。
 「まれびと」が人前に姿を見せるのは年に一度きりでいい。後継者難でも吉浜集落の人々は、務めを粛々と果たす覚悟だ。
 他方、国は「まれびと」の受け入れ拡大にかじを切る。外国人労働者の流入には、さまざま意見があるようで、旧知の研究者からは、こんな話を聞いた。
 某県に、技能実習生の大量受け入れで農業生産を飛躍的に増やした町がある。地方創生の手本ともてはやす向きもあるが、町内に形成された実習生ムラでは、昼間から車座で酒盛りやばくちが始まるのだという。
 「およそ日本の伝統集落とは懸け離れた異様な光景」と眉をひそめていた。
 海を渡って来る労働者は地方にとって救いの神となるだろうか。清貧を甘受する吉浜集落の人々の態度こそ、これからの日本にふさわしいと思えるのだが。
(盛岡総局長 矢野奨)