庭の木々がすっかり葉を落とした。冬枯れの庭を彩っているのが、山から下りてきた野鳥たち。枯れ枝に止まって、自慢ののどを聞かせてくれる。
 ヤマガラはブドウの枝で逆さまになったり、よじ登ったり。かと思うと、カサカサになった枝の皮をくちばしではぎ取る。何をするのか見ていたら、中からびっくりするような大きい虫を探し出し、ぺろりと飲み込んでしまった。
 ヤマガラには思い出がある。今年の1月、巣箱をプレゼントした。そして春、ヤマガラの夫婦が引っ越して来てくれた。
 コケを運び、巣箱の中でごそごそ動き回っていた。やがて卵を産んだのか、出入りが少なくなった。ひなの巣立ちの頃になったら、カメラで撮影しようと心待ちにしていた。
 ところが5月のある朝。親鳥が甲高い声で鳴いている。前の晩の強い風で、巣箱が落下して逆さまになっていた。くくり付け方が甘かったのか。ヤマガラの家族に申し訳ないことをしてしまった。
 年が明けたらヤマガラのために実のなる木を植えよう。愛らしいひなの写真は、まだ諦めていない。
(写真部次長 及川圭一)