まあ。その手法があったとは。取材班キャップからのメールに驚いた。添付されたのは正月の社会面企画のコンテ。新しい仕掛けが盛り込まれていた。
 「ん? 年の瀬なんて気になれないだろうな」。新年号の作業が落ち着き始めた職場で思う。企画を受け持つ取材班は今が最終準備中。執筆に追われる担当記者もいる。
 頑張る姿を想像しつつ、過去の正月企画をさかのぼってみた。登場する人々は人生の再出発を切ったり、固定観念を打ち破ったり。その年の皮切りにふさわしい顔触れが並んでいた。
 「あの日」の後は、被災地で生まれたつながりや復興に向けて奔走する人々を追い掛けてきた。
 企画の多くが背景に意識するのは時代の空気かもしれない。豊かさを追い求めた社会のシステムのゆがみや閉塞(へいそく)感、希薄化した人間関係…。紙面化に携わる一人として「今」掲載する意味を忘れないよう留意したい。
 来年元日に始まる企画は手前みそだが時代性を反映している。小欄の段落の初めにある文字を結ぶとちょっとしたヒントになります。ぜひご覧ください。
(報道部次長 沼田雅佳)