消費税についていろいろ調べていて、ある児童書を見つけた。文章がすっきりとして図解も多く、非常に分かりやすい。
 三木義一監修『税ってなに?』(かもがわ出版)という本だ。この中の1枚のグラフが消費税の本質をあらわにしていて興味深い。
 「消費税で集めたお金と法人税を下げて減ったお金の移り変わり」と、説明にある。消費税と法人税。驚くほど対称的だ。
 「法人税の減った税収と消費税の増収分はほぼ同じなのです」「企業の税金を安くしていたんだね」。子ども向けにかみ砕いてこんな説明文が載っている。
 監修者の三木さんは青山学院大の学長。岩波新書のロングセラー『日本の税金』で知られ、税に対する無関心を嘆いてきた。それ故の児童書なのだろう。
 利益を上げている黒字の大企業の法人税が、政治的な軽減措置によって少なく抑えられ、その分は消費者が皆で肩代わり-。
 その消費税が今秋、10%に上がる。ものを買うたびに1割の税金が掛かれば消費意欲は減退し、確実に景気は悪化する。日本の経済はそれで大丈夫なのか、心配で仕方がない。
(論説委員長 相原和裕)