古里を遠く離れ、下宿で1人暮らしを始めた昔を思い出した。
 プロ野球東北楽天の新人選手の入寮取材。10人の若ワシが期待と不安を胸に、仙台市泉区の球団寮に引っ越した。
 荷物の中身はそれぞれ。ドラフト1位の辰己涼介外野手(立命館大)は新調したバットがずらり。長さや形を吟味した自慢の道具を前に、クールな顔立ちを緩ませた。
 「気分転換も大切」と、バリスタばりのコーヒーメーカーを持参したドラフト4位の弓削(ゆげ)隼人投手(SUBARU)。行列のできる人気部屋になりそう。
 唯一の東北出身、ドラフト5位の佐藤智輝投手(山形中央高)は愛犬同伴。といっても、縫いぐるみ。初めての1人暮らしとあって、実家の飼い犬をモデルにお母さんが手作りした。
 寮生活で食事は選手の最大の楽しみだろう。この日は寮の名物カレーが報道陣にも振る舞われ、懐かしい家庭の味付けを堪能した。
 締めのデザートに出されたのは蜜豆だった。おわんの中には、ぷかぷかと白玉がいくつも浮かんでいる。めでたい白星のプレゼント。(写真部次長 佐々木浩明)