JR秋田駅のすぐ南側に、奥羽線や羽越線の線路下をくぐり東西を結ぶ明田(みょうでん)地下道という名のアンダーパスがある。明田はこの辺りにゆかりが深い地名だ。
 昨秋のある朝、日課のジョギングで近くを走っていたら「富士山登口案内図」という古びた表示が目に留まった。地図には富士山頂広場や富士大権現などと書かれている。ちなみに見た感じ、山というより丘だ。
 ここになぜ富士山が!と気になり登り口に回ってみたら、「明田富士山」の説明板が立っていた。それによると昔ここに富士太郎なる豪族の館があり、山頂に富士権現を祭ったらしい。
 ジョギング中だし走っててっぺんに向かった。多分1分もかからず山頂にたどり着いた。「日本一低い富士山(標高三十五メートル)」と記した標柱が立っていた。
 この冬の秋田はどうやら雪が少ない。22日の朝、久しぶりに明田富士山を目指した。雪が積もっていない石段を一気に駆け上った。
 山頂からは秋田市中心部の街並みを360度眺められる。秋田の富士山もなかなか味わいがあるなあと、家に戻って着替えた後、ちょっと得をしたような気分で仕事に向かった。
(秋田総局長 松田博英)