福島県楢葉町に取材に行くと、昨年開業の公設商業施設「ここなら笑店街(しょうてんがい)」に食事などでよく立ち寄る。入居する「マリデカフェ」の一角に2月、小さな雑貨販売コーナーができた。

 扱うのは東日本大震災の津波被害があった宮城県亘理町で古い着物地の再利用に取り組むWATALIS(ワタリス)の商品。看板商品の巾着袋や髪飾りなど色鮮やかな約10点が並ぶ。

 飲食以外の楽しみも提供したいと店側が企画した。東京電力福島第1原発事故の避難指示解除から3年半。町内に暮らす住民は人口の半数を超えたが年齢層は高い。「おばあちゃんが孫に買ってあげたくなる商品」を探したという。

 被災地を支援する企業が両者を結び付けた。ただ、カフェ運営会社専務の永山忠房さん(39)は「最初から被災地の企業を探したわけではない。狙いにぴったりの商品だった」と語る。

 ワタリス社長の引地恵さん(51)が目指すのも復興グッズではない。「商品単独で価値を感じてもらえるものづくり」だ。両者はスイーツを通じたコラボも検討している。復興応援の先にある持続的な事業のヒントの一つが連携だと感じた。
(いわき支局長 佐藤崇)