つい先日、大学時代の先輩(53)が仙台市へ単身赴任してきた。埼玉県の生まれで、東京の酒造会社で働いている。
 東北勤務は初めてとあって、電話の声はちょっぴり不安げだったが、最後には「飲みに行くぞ」。同い年なのに、有無を言わせない命令口調は相変わらず。
 早速、仙台駅前の居酒屋へ。入ったのは昭和っぽい風情を漂わせたコの字形のカウンターの店だった。「ネオ大衆酒場」と呼ぶそうだ。
 ネオはつまり英語の「ニュー」で、レトロとモダンを兼ね備えた居酒屋の新しいスタイルなのだという。「今、若者に人気があるんだよ」。仕事柄、飲食店業界に詳しい先輩が訳知り顔で教えてくれた。
 宮城の地酒を味わった先輩は「俺も仙台のネオ住民か。新天地で新生活を楽しむぞ」と、すっかり上機嫌になっていた。
 もうすぐ4月。多くのネオ市民が仙台に住み始めることになるが、不安を抱く人も多いだろう。もし先輩が愚痴りたくなったら、快く付き合わないと。いくらかお助けするのはオールド市民の務めだし、東北はこっちが大先輩だから。
(写真部次長 門田勲)